エミリーが忘れた日
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100: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:36:16.34 ID:9pdDfgPfo
 
観客席のほとんどはエミリーのシンボルカラーであるバイオレットのサイリウム一色で埋め尽くされ、
そこにエメラルドグリーンの光がちらほら混ざっている。

圧巻の光景だった。

揺れる何百何千の光の中心にいる二人の表情を遠くからチラリと覗いてみる。
エミリーはとても楽しそうでにこやか、まつりは……同じように楽しそうだが、何かをこらえているようにも見えた。

「あー、こりゃあれだな」

しょうがないよなぁ、とこっそり呟いた。彼女はとくにエミリーのことを心配してくれていた一人だから。

『音声さん、終わったらいっぺん二人のマイク切っといてください』

念のため無線で連絡を入れておく。


曲が止まり、一際の大きな歓声に包まれる中、ついにまつりは我慢しきれずに隣のエミリーに飛びついた。
肩をかすかに震わせながら、エミリーの足が浮いてしまうほどにぎゅっと力強く抱きしめていた。
ぎょっとして固まっていたエミリーも──ゆっくりとまつりの背中に腕を回す。

二人はしばらく抱き合ったままその余韻に浸り、歓声と拍手はその間も鳴り止む隙がなかった。


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