エミリーが忘れた日
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99: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:35:12.99 ID:9pdDfgPfo
 


エミリー・スチュアート復帰公演の告知を行ってから、その日のチケットが通常の何倍もの早さで売り切れたことはただの偶然ではないだろう。
誰もが彼女の帰りを待っていたという確かな証だ。

その夜。何曲かで他のメンバーがステージを温め──みんなには申し訳ないが、今日に限ってはどの演目も前座に過ぎない──、
観客たちがいつだまだかと痺れを切らし始めるギリギリのタイミングでついにお待ちかねの時間がやってくる。

照明を全て落とし、真っ暗になった劇場がほんの少し静まったタイミングを見計らうかのように「だってあなたはプリンセス」のイントロが鳴り響いた瞬間、
まさしく劇場全体が震えた。
舞台袖にいた俺も思わず後ずさる。
およそ一ヶ月ぶりの公演。この劇場ではおそらく体感したこともないような、
バックミュージックがかき消されんほどのとんでもない量の大歓声を浴びながらステージに現れたエミリーとまつりは、
いつも以上に息をぴったりと合わせ、まさしく本物の双子のように鏡合わせで踊り、歌った。


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