シンジ「すべてを受け入れようと思う」
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37:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:25:46.47 ID:VZdRWGZA0
「知らないって……助けたんだよあの時!!」
「人ひとりに大げさね。もうそんなことに反応してる暇なんてないのよ、この世界には。そうでしょ?葛城大佐」
 アスカは冷淡な態度でそう言うと、ドアの向こうへ姿を消してしまった。
「アスカっ!!」
 シンジは自分の知っている記憶に必死に縋ろうとする。
以下略 AAS



38:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:29:09.97 ID:VZdRWGZA0
 爆発音と呼ぶには、あまりにも鈍く、遠い音が艦内に響き渡った。内線用の通信ブザーが鳴って、先程まで部屋を包んでいた重い空気を散らす。
「なんだ!?」
 シンジは我に返って、SDATを見つめていた顔を上げる。
「私です」
 ミサトは受話器を取って呼び出しに答える。
以下略 AAS



39:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:29:47.66 ID:VZdRWGZA0
『全艦、第一種戦闘配置!初号機保護を最優先』
 艦内に響き渡るミサトのアナウンス。アスカは長い廊下を走りながら無線でマリと通信を交わす。
「8号機!もう行けるでしょ!」
「もちのろ〜ん!今やってるよぉ姫。それより、わんこ君どうだった?おとなしくお座りしてたぁ?」
 マリは、コックピットの座席に脚を組んだ姿勢で深く座りながら、宙に浮かぶデジタルスクリーンを操作して、慣れた手つきでセットアップを進めて行く。
以下略 AAS



40:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:30:52.44 ID:VZdRWGZA0
「ミサトさん!リツコさん!いったい何が来たんですか!新しい使徒ですか!?」
 シンジは、ひび割れたガラスにへばりついて、外の状況を必死に知ろうとしていた。その時、何処からともなくシンジの元に声が聞こえる。


41:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:31:43.05 ID:VZdRWGZA0




 ──『碇君、どこ』
以下略 AAS



42:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:32:16.65 ID:VZdRWGZA0
「綾波……?今の、綾波の声ですよね!?ミサ――」
 さっきまで透明だったガラスが一瞬のうちに白い壁に変わり、シンジの視界を遮った。それは、シンジにとって情報遮断以上に、ミサトたちからの拒絶を意味するものだった。


43:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:33:25.69 ID:VZdRWGZA0
「くそっ!! なんだよ、もう!!」
 シンジは、壁と化したガラスに拳を叩き付けて、壁に阻まれた感情を吐き捨てる。


44:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:34:02.32 ID:VZdRWGZA0
「準備できました!碇さん!こっちへ!」
 うなだれるシンジの背中に、内線で指示を得ていたサクラが声をかける。


45:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:34:51.04 ID:VZdRWGZA0




 ──『碇君、どこ』
以下略 AAS



46:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:36:28.00 ID:VZdRWGZA0
「やっぱり綾波だ……」
 再度聞こえてきた声に、シンジは顔を起こしてもう一度拳を壁に叩き付けた。
「ミサトさんっ!! 綾波ですよ!? 綾波の声が!!」
「碇さん、急いで!」
 その場を動こうとしないシンジに向かって、サクラが声色を強める。しかし、それでもシンジはその場を離れようとはしない。


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