シンジ「すべてを受け入れようと思う」
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31:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:16:31.87 ID:VZdRWGZA0
「あ、はい……でも、鈴原って……トウジの?」
 シンジはその名字を聞いて思い当たった。しかし、目の前にいる女性の年齢が自分の記憶と噛み合わない。
「はい。お兄ちゃんがお世話になりました。妹のサクラです」
「妹!?お姉さんじゃなくて?」
「はい。妹です。ふふ……」
以下略 AAS



32:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:17:56.11 ID:VZdRWGZA0



 その時、ミサトの立っていた入り口の方から聞き覚えのある声が聞こえる。
 その声。
以下略 AAS



33:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:18:39.32 ID:VZdRWGZA0




「――あれから14年経ってるってことよ。バカシンジ」
以下略 AAS



34:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:19:18.85 ID:VZdRWGZA0
 アスカは上着のポケットに突っ込んでいた手を外に出すと、ずかずかとシンジの方に歩み寄って行った。シンジは嬉しさのあまり椅子から立ち上がってアスカの名を呼んだ。アスカは無言のまま、大きく右腕を振りかぶってシンジに殴り掛かった。
「あうっ」
 ドン、という大きな音が室内に響いた。アスカの拳がシンジの顔の目の前で止まる。シンジとサクラのいる部屋は一面のガラスで仕切られていた。さっきまでCGが映し出されていたのは、モニターではなく強化ガラスの壁だった。その分厚い壁に亀裂が走り、固く尖ったものが砕ける音がすると、辺りはしんと静まり返った。


35:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:20:42.72 ID:VZdRWGZA0
「駄目ね……抑えきれない。ずっと我慢してたし……」
 アスカは、拳を振りかぶったまま俯いて独り言を口にする。
「いっつ……なんなんだよ……」
 シンジは予想外の展開に驚き、椅子の上にへたり込んでしまった。そんなシンジを見下すように、アスカはガラスの前の踊り場に登って仁王立ちになる。
「怒りと悲しみの累積……」
以下略 AAS



36:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:23:12.16 ID:VZdRWGZA0
「何のことを言って……、アスカ――」
 シンジは、アスカの左目を覆っている眼帯に気付いてはっとする。
「あんたには関係ない」
 アスカは、冷たい目でシンジを見下しながらそう言い放った。
「アスカ、さっき14年って……でも、眼帯以外変わってない」
以下略 AAS



37:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:25:46.47 ID:VZdRWGZA0
「知らないって……助けたんだよあの時!!」
「人ひとりに大げさね。もうそんなことに反応してる暇なんてないのよ、この世界には。そうでしょ?葛城大佐」
 アスカは冷淡な態度でそう言うと、ドアの向こうへ姿を消してしまった。
「アスカっ!!」
 シンジは自分の知っている記憶に必死に縋ろうとする。
以下略 AAS



38:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:29:09.97 ID:VZdRWGZA0
 爆発音と呼ぶには、あまりにも鈍く、遠い音が艦内に響き渡った。内線用の通信ブザーが鳴って、先程まで部屋を包んでいた重い空気を散らす。
「なんだ!?」
 シンジは我に返って、SDATを見つめていた顔を上げる。
「私です」
 ミサトは受話器を取って呼び出しに答える。
以下略 AAS



39:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:29:47.66 ID:VZdRWGZA0
『全艦、第一種戦闘配置!初号機保護を最優先』
 艦内に響き渡るミサトのアナウンス。アスカは長い廊下を走りながら無線でマリと通信を交わす。
「8号機!もう行けるでしょ!」
「もちのろ〜ん!今やってるよぉ姫。それより、わんこ君どうだった?おとなしくお座りしてたぁ?」
 マリは、コックピットの座席に脚を組んだ姿勢で深く座りながら、宙に浮かぶデジタルスクリーンを操作して、慣れた手つきでセットアップを進めて行く。
以下略 AAS



40:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:30:52.44 ID:VZdRWGZA0
「ミサトさん!リツコさん!いったい何が来たんですか!新しい使徒ですか!?」
 シンジは、ひび割れたガラスにへばりついて、外の状況を必死に知ろうとしていた。その時、何処からともなくシンジの元に声が聞こえる。


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