シンジ「すべてを受け入れようと思う」
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23:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 14:51:07.76 ID:VZdRWGZA0
「そうね。物理的情報では、コード第3の少年と完全に一致。生後の歯の治療跡など身体組織は、ニアサー時を100%再現しているわ」
 カーキ色のジャケットに身を包んだ女性は、電子カルテを眺めながらそう言った。金色の短髪と知的な声、そして彼女の発する語彙から、その女性は赤城リツコであることが伺えた。シンジはベッドから降りると、素足で床の上に立ち尽くしてブリッジを見上げた。
「なお、深層シンクロテストの結果は分析中」
 リツコは、冷静沈着な口調で淡々と状況の説明を続ける。
「頸部へのDSSチョーカーは?」
以下略 AAS



24:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 14:54:05.60 ID:VZdRWGZA0
「葛城、艦長って……? でも、やっぱりミサトさん?」
 その時、シンジの首に巻かれていたチョーカーから電子音が発せられた。
「あれ……?」
 リツコは、手に持っていたコントローラーを操作して、表示されたステータスを“ACTIVE”に切り替える。
「作動正常。パスコ―ドは艦長専用に」
以下略 AAS



25:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 14:54:55.73 ID:VZdRWGZA0
 シンジはチョーカーに手をかけて、首に巻き付いた鉄の輪を剥がそうとする。
「絶対にはずしませんよ……それ……」
 ベレー帽の女の子は、両手でバインダーを抱きかかえながら独り言のようにつぶやいた。
「面会終了。彼を隔離室へ」
 そう言ってミサトはモニターの方に向き直す。シンジは手を止めて唖然とした表情をブリッジに向けた。


26:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:12:05.79 ID:VZdRWGZA0
「検体・BM-03、仮称『碇シンジ』さん。副長から説明があるそうです」
 まるで刑務所のような鉄格子の中に隔離された部屋の中で、ベッドに横になっているシンジの背中に、ベレー帽の女の子が呼びかける。
「これが初号機……?」
 ヴンダーの機体をモデリングしたCGを目の当たりにして、シンジが素直な感想を口にする。
「ええ。初号機は現在、本艦の主機として使用中。ゆえにパイロットは不要です」
以下略 AAS



27:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:12:54.54 ID:VZdRWGZA0
「なんですかこれ……?」
 モニターのCGは、シンジの首に巻かれた物に変わっていた。リツコは、それについて科学者然とした語彙で説明する。
「私たちへの保険。覚醒回避のための物理的安全装置。私たちの不信と、あなたへの罰の象徴です」
「どういうことですか……?」
 シンジはその真意を読み取ることができない。
以下略 AAS



28:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:13:22.39 ID:VZdRWGZA0


「それって……死ぬってことですか?」


以下略 AAS



29:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:13:51.28 ID:VZdRWGZA0
モニターの映像が切られる。
「否定はしません」
 モニターの前に座っていたシンジは、驚いた表情でリツコの背中を見る。リツコはシンジに背中を向けた状態でコンソールを見たまま振り向こうとはしない。


30:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:15:07.40 ID:VZdRWGZA0
「そんな……ミサトさん、どういう事なんですか死ぬって!?」
 シンジは、入り口近くの壁に寄りかかっていたミサトの方を見て訴えかける。少しずつだが、自分の取り巻く状況が分かってきたことで、感情が高ぶった声になって行く。
「変ですよミサトさん!急にこんなことになってて訳わかんないですよ!」
 しかし、ミサトは腕を組んだまま俯き、口を開こうとはしなかった。その訴えを受け止める変わりに、リツコはシンジの傍らに立っているベレー帽の女の子を引き合いに出した。
「混乱するのも無理ないわ。少尉」
以下略 AAS



31:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:16:31.87 ID:VZdRWGZA0
「あ、はい……でも、鈴原って……トウジの?」
 シンジはその名字を聞いて思い当たった。しかし、目の前にいる女性の年齢が自分の記憶と噛み合わない。
「はい。お兄ちゃんがお世話になりました。妹のサクラです」
「妹!?お姉さんじゃなくて?」
「はい。妹です。ふふ……」
以下略 AAS



32:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:17:56.11 ID:VZdRWGZA0



 その時、ミサトの立っていた入り口の方から聞き覚えのある声が聞こえる。
 その声。
以下略 AAS



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