23:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 14:51:07.76 ID:VZdRWGZA0
「そうね。物理的情報では、コード第3の少年と完全に一致。生後の歯の治療跡など身体組織は、ニアサー時を100%再現しているわ」
カーキ色のジャケットに身を包んだ女性は、電子カルテを眺めながらそう言った。金色の短髪と知的な声、そして彼女の発する語彙から、その女性は赤城リツコであることが伺えた。シンジはベッドから降りると、素足で床の上に立ち尽くしてブリッジを見上げた。
「なお、深層シンクロテストの結果は分析中」
リツコは、冷静沈着な口調で淡々と状況の説明を続ける。
「頸部へのDSSチョーカーは?」
ミサトは、立ち上がったシンジの方を見据えながら、現状の確認を続ける。彼女の視線はサングラスに被われて、その感情は一切分からない。
「すでに装着済よ。葛城艦長」
リツコは自分の成すべき説明を終えると、ミサトの方へ振り返りながら念を押すようにして艦長の名を呼んだ。
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