22:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 14:50:04.62 ID:VZdRWGZA0
シンジは、体にまとわりついた重力を引きはがすようにして、ベットからゆっくりと体を起こす。
ブリッジの上に佇む女性の背中に目を向けた。その時、周囲のスタッフたちの妙な気配に気付き、彼らのいる方へと視線を送った。
彼らは、各々の持ち場に付きながらも、明らかにシンジのいる方へ意識を集中させていた。彼らは、憎しみとも怯えとも付かない表情を浮かべて背中越しにシンジを見ていた。シンジは自分の置かれている状況が把握できずに動揺する。そして、その答えを求めるようにして、ブリッジの女性の方へ顔を戻した。
「……ミサトさん?」
シンジには見覚えのある横顔だった。しかし、半信半疑のまま口に出した声に対する応答は冷たいものであった。
「碇シンジ君……でいいのよね?」
ミサトは、ただ既成事実を確認するように、奥にいるもう一人の女性へ向かって言葉を発した。
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