30:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:15:07.40 ID:VZdRWGZA0
「そんな……ミサトさん、どういう事なんですか死ぬって!?」
シンジは、入り口近くの壁に寄りかかっていたミサトの方を見て訴えかける。少しずつだが、自分の取り巻く状況が分かってきたことで、感情が高ぶった声になって行く。
「変ですよミサトさん!急にこんなことになってて訳わかんないですよ!」
しかし、ミサトは腕を組んだまま俯き、口を開こうとはしなかった。その訴えを受け止める変わりに、リツコはシンジの傍らに立っているベレー帽の女の子を引き合いに出した。
「混乱するのも無理ないわ。少尉」
「はい!」
ベレー帽の女の子は、はっとして背筋を伸ばす。
「彼に官姓名を」
「はい!」
ベレー帽の女の子はシンジの前に歩み出ると、小脇に抱えていたバインダーを両手に持ち替えてペコリとお辞儀をした。
「えっと、今更ですが碇さんの管理担当医官、鈴原サクラ少尉です。よろしくです」
サクラはお辞儀をした姿勢のまま、顔を上げてシンジを見た後で、もう一度礼儀正しく顔を下に向けた。
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