81:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:38:19.38 ID:YWfCY9A20
学校では顔をしかめて俯くことが多くなった沙綾。そんな彼女の姿を見て、Poppin'Partyのみんなはいつも心配する声をかけた。
「大丈夫、サーヤ?」
「サアヤちゃん、なんだか辛そうだよ……? もし具合が悪いなら保健室に行く?」
「……サアヤ、暗い顔してる。お肉食べる? 美味しいものを食べればきっと元気が出るよ」
「あー……なんだ、ほら。何か心配なことがあるならいつだって言ってくれていいんだからな?」
混じりっ気のない善意だった。入れ替わっただとかなんとかだとか、そういうことを抜きにした気遣いの言葉だった。
だからこそ、それらが沙綾の心に深く突き刺さる。自身の中の影が嘲笑を浮かべ、より増長した姿になる。
沙綾はどうしたらいいのか分からなかった。心を苛む優しさに、どう反応すればいいのかが分からなかった。
やがて彼女はそれらにさえ耳を塞ぐようになった。
「大丈夫だよ。平気だよ」と呪文のように繰り返し、「家の手伝いがあるからさ、ごめんね」と足早に家路を辿る。
ただ逃げているだけだということは沙綾にも分かっていた。だけど、そうする以外にどうしたらいいのか、彼女は答えを持ち合わせていなかった。
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