33:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:59:34.78 ID:YWfCY9A20
「……ここが花咲川高校」
迷子のような気持ちで学校へたどり着く。そこもやっぱり自分が見慣れたものとは幾分か違うところだった。
校庭で部活動に勤しむ生徒、または中庭に設けられたベンチでお喋りに花を咲かせる生徒たちを横目に、沙綾は昇降口へ向かう。そしてローファーから上履きに履き替えて、自分のであり、カスミとアリサとリミのであるという教室へたどり着く。窓際の最後尾。そこが昼間はカスミの席で、定時制のサアヤの座席だと聞いていた。
そこへ鞄を置き、席に座る。それから改めて教室の中を見回す。
人はまばらだった。定時制の授業は十七時半から開始で、今はその十五分前。この教室の席は三分の一ほどしか埋まっていない。流石にもう少しすれば人も増えそうだけど、この教室の空席が全て埋まることはなさそうだった。
流石にカスミたちも定時制の授業がどんなものかは知らないみたいで、ただ授業が夕方に始まって、二十一時くらいに終わることだけを教えられた。……ということは、つまり。
189Res/213.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20