【バンドリ】さあやとサアヤの話
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29:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:56:31.46 ID:YWfCY9A20

「私なんかと比べ物になんないなぁ……」

 沙綾もサアヤと似たような境遇を経て、香澄たちに出会って、そして夢を分け合った。だけどそれは似ているだけで、境遇の重さから言えばサアヤの足元にも及ばないだろう。

 もしも私がまったく同じ状況になったら、と考えて、涙が零れそうだからすぐに止めた。

 病弱なのに台所に立って家事をやって、辛くてもそれを隠していつも優しく笑う母親。その存在を失うというだけで立ち直れるか分からないほどの傷を負うだろう。

 いつも明るくて優しいPoppin'Partyの親友たち。彼女たちがいればその傷にも耐えられて、乗り越えられるかもしれない。けど、一人だけ定時制に通うのであれば、心の拠り所になるその温かさに触れられるのは限られた時間だけになる。

 そんな中で、幼い弟たちの面倒を見て、無理が祟ってまたいつ倒れるとも分からない父親にお店を任せて、バンド活動をする。



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