【バンドリ】さあやとサアヤの話
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28:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:56:03.10 ID:YWfCY9A20


「朝はパンの仕込み、それから三つ子の弟を幼稚園に送って、ウチの手伝い……」

 この世界の山吹沙綾のことを教えてもらった夜。沙綾は自室でスマートフォンのToDoリストを眺めながら、自分ではない自分の一日の予定を確認していた。

 大体のやることはいつもの自分とさほど変わらない。けれど、大きく変わっている状況はあった。

 店番なんて一切出来ない幼い三つ子の弟。定時制の花咲川高校に通うこと。そしてなにより……

(母さん、いないんだ……)

 この世界のPoppin'Partyのみんなに聞いた話の中で、一番衝撃が大きかったのがそのことだった。

 さらに、Poppin'Partyの前のバンド――カスミちゃんたちは名前を知らないみたいだけど、私で言うチスパにあたるバンドだろう――で参加したコンクール。その決勝戦の時に、父が倒れて、サアヤはドラムを叩けなかった。

「…………」

 その時の彼女の心情を慮ると、深い悲しさと寂しさが心に影を落とす。

 既に母を病気で亡くしている。弟たちは店の手伝いどころか電話すら出来ないほど幼い。ライブだって地元のお祭りなんかじゃなくて、コンクールの決勝戦。そこで、家の唯一の柱である父親が倒れた。



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