77:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 23:58:11.16 ID:D/gZfYJM0
「言った? 何を?」
「私、確かに、夕美ちゃんや志希ちゃんが羨ましくて、妬ましくて……ズルい、って思っちゃって、だから……
そう、余所の芸能事務所に情報を渡して、でっち上げたのは、本当よ、でも……」
細い体を抱える手を、せわしなく擦らせている。
心理学はあたしの専門外だけど、たぶん強い不安感を覚えている人の行動だろうなと、何となく察しはついた。
「いざ、行動に移すとなった時に、急に、怖くなって……
夕美ちゃんだけじゃなくて、事務所も……むしろ、私自身をも追い詰められるような事態になりはしないかって、不安になったの。
勝手な言い草なのは、百も承知しているわ。でも、だから、すごく怖くなって、でも、協力するって約束した手前、後には引けなくなってて、ゆ……夕美ちゃんに……!」
頭を抱えて、彼女は嗚咽を漏らし始めた。
「全部、夕美ちゃんに……言ったの……絶対、お、怒られるって……怒ってもらえるって、思ったのに……!」
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