76:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 23:54:38.65 ID:D/gZfYJM0
彼女と目を合わせたまま、あたしはゆっくりとラボ内のデスクに歩みを進める。
「あ、それともそうか、なまじ容姿が似通っているから、投影しちゃったのかにゃ?
自分と夕美ちゃんだったらそれほど変わりが無いのに、夕美ちゃんだけがチャンスを得たのが余計に悔しかった、とか」
チラリとデスクの上にある薬品類を確認する。
ふむ――昨日までの記憶にあった通りのものが置かれたままだ。
どうやら、盗まれたり壊されたり、何か悪さをされた様子はない。
「何とか言ったらどうなの?
あたしの手に掛かったら、20秒もあればここにあるものでキミを死に至らしめるヤツを作れるよ。
もう1分あれば、手段やシチュエーションを検討する余裕も生まれる」
もちろん、それを行使するつもりはない。
だけど、社会的に夕美ちゃんを殺そうとした人を許すつもりだってない。
彼女は、口をかろうじて動かし始めた。
「ゆ、夕美ちゃんに、言ったの……」
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