61:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 22:44:46.66 ID:D/gZfYJM0
とある日。
――お、いたいた。
「Excuse me♪ そこのミスター」
「……え、誰?」
あたしに呼び止められて振り返ったその俳優さんは、なるほど、確かに甘いマスクで背もスラッと高い美男子だ。
マネージャーと思しき男の人を連れていて、こちらを露骨に警戒している。
対して、あたしは真っ黒のカツラを被り、伊達眼鏡をかけてスーツをバシッとキメている。
キマッているかは分かんないけどねー、客観的には見れないので。
それはともかく。
先日のライブイベントで注目をさらったあたしに、幸いにもこの人は気づいてないみたい。
元々あたしを知らないのか、思いつきの変装が功を奏したのか、いずれにせよありがたい。
「件の週刊誌に掲載されたスキャンダルのことで、ちょーっとお話をお聞きしたくて〜♪」
そう言った途端、彼らはより一層あたしを鬱陶しそうな目で睨みつけた。
そりゃそうだろう。予測通りだ。
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