21:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:15:41.53 ID:D/gZfYJM0
でも、一つ分かったことがある。
夕美ちゃんの面倒見の良さは、どうやら花の世話をしていく中で培われたものらしい。
これだけ多くの種類があると、花を咲かせる時期も、留意すべきポイントもたくさんあるだろう。
それらを全て把握して、時宜を得た世話を続けていくことは、並大抵のことではない。
彼女は、どうやら本当に良い子なのだ。
そして――。
「夕美ちゃん夕美ちゃん」
「え、何?」
「あたしにも育てられそうな花、あるかにゃ?」
「それなら、このベゴニアあげるっ!」
暖かくて力強い優しさは、あたしの価値観を容易く破壊してくれる。
「え、いいの? やったー、ありがとー♪」
「ヘンな薬とかあげちゃダメだよ?」
「にゃははー、その可能性は否定しない」
「否定してっ!」
次に起こり得る事象を絶えず予測し、検証することに慣れきっていたあたしにとって、夕美ちゃんの与えてくれる刺激はどれも新鮮で、身を任せているだけで楽しいものだった。
138Res/139.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20