131:名無しNIPPER[saga]
2019/04/29(月) 03:05:51.67 ID:SYS+AFC90
「アイドルは、それを咲かせることができるからすごい、とあの子はよく言っていました」
立ち上がってお尻をポンポンと叩き、お爺ちゃんはあたしの方へ歩み寄ってくる。
「いつか皆を笑顔にできるその子を、私は笑顔にしてみせたいのだとも……ところで、妙ですな」
「? ……な、何が?」
「いえ、この香り」
あたしを通り過ぎて、お爺ちゃんは鼻をくんくんと鳴らしながら首を捻っている。
「キンモクセイの季節は、半年以上先のはずだが」
「あ、それはコレ……」
「……ほぉ〜〜」
あたしが指差したそれの前に座り込み、お爺ちゃんは興味深そうに観察し始めた。
「キンモクセイの花言葉に納得がいかなくて、新種を作ってやろうとして……」
「こりゃあすごい」
「ピンクと、この、一部欠けたように控えめについた黄色の対比が見事ですなぁ」
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