一ノ瀬志希「ほころび」
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128:名無しNIPPER[saga]
2019/04/29(月) 02:47:24.06 ID:SYS+AFC90
 起き上がって、そのそばに近づく。

 昨日は暗くてよく見えなかったドギツい真っピンクが、小さいながらもその存在感を無遠慮に主張している。

 でも、本来キンモクセイは秋の花。

 本格的な春を迎える前に無理矢理花を咲かせたこの子のリズムは、既にガタガタに狂っていて、この先天寿を全うできるかどうかは分からない。

 キミは一体、何のために生まれてきたんだろうね。



「……おや」


 ――?


「これはこれは。まさかお客さんが来てくださっていたとは」



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