一ノ瀬志希「ほころび」
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112:名無しNIPPER[saga]
2019/04/29(月) 02:05:32.27 ID:SYS+AFC90
「あはは、そう、かな……それを小学生の私が理解して、その時反論できていたら、違ったのかも知れないけどね」

 ワガママを言う子をあやすような笑い方だ。
 困った子供扱いされた不満よりも、夕美ちゃんを困らせてしまった事への申し訳なさが勝る。

「ごめん、話の腰を折っちゃったね」
「ううん、いいの。それで、そう……ちょっと違ったかな。先生の言いたかったことは」


「誰も悪い子なんていない。迷惑なんていうのは自然界には無い。
 自然は、皆が必死になって生きようとするんだから、結果として必ず誰かが割を食うし、泣いたり、傷ついたり、死んじゃう子だっている。
 それ自体に良い悪いなんて無いの。
 夕美ちゃん、あなたが学ぶべきは、生きるためのいかなる行為には寛容でありなさいということ。
 それと、そういう生物の摂理に手を加えることには、必ず責任が伴うことを知りなさい、って」

「…………」


「全然、当時の私には理解できなくて……その次の日、家出しちゃった」



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