111:名無しNIPPER[saga]
2019/04/29(月) 02:03:36.85 ID:SYS+AFC90
「迷惑をかけられて困っている子を助けたかっただけなのに、って、私は先生に言って……そんな、泥だらけになって泣く私の頬を、先生は叩くから、いっぱい泣いたなぁ。
それで、えぇと……先生はね? 迷惑って何かしら、って私に聞いたの」
「迷惑とは何……小学生の女の子に対して、なかなか哲学的な問いだね」
「本当にね。優しそうに見えて、結構厳しい先生だったんだよ?」
厳しい先生、か――あたしには実感が無い人種だった。
強いて言えば、ダッドだろうか。
ただ、彼もあたしに無茶苦茶な要求こそすれど、怒ったり叱ったりされた記憶は無いから、まぁ、あれで一応愛されてはいたのかも知れない。
プロデューサーは、あたしを叱りつけてばかりだけど、もはや諦めてそうな面もあるし。
鉄拳制裁を行使して矯正してやろうという人は、とうとうあたしの周りには現れなかったなぁ。
「一切の迷惑をかけない人が、この世にいると思う?
自分は誰にも迷惑をかけたことが無い人だと、夕美ちゃんは自分でそう思うの? って先生は言ったの」
「それ、ちょっと意地悪じゃない?」
思わずムキになってしまった。
当時の彼女達が掘り下げるべきはそこじゃないと思った。
「夕美ちゃんが言及したのは、イチゴちゃんが他のお花達に迷惑をかけたことの是非についての話でしょ?
そして、それを引っこ抜いた夕美ちゃんの是非。
迷惑をかけたことが無い人しか正義を振りかざしちゃいけないとか、そう言いたいんだとしたら、先生の話は論点のすり替えだよ」
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