一ノ瀬志希「ほころび」
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107:名無しNIPPER[saga]
2019/04/29(月) 01:48:20.97 ID:SYS+AFC90
「たとえそうだとしても……たぶん、あたしを見て、悲しい、嫌な気分になっちゃう人も、いると思うから。
 真実がどうっていうより、イメージが大事だと思うの。
 アイドルって、お客さんを楽しませるのが仕事だから、余計に。
 気分を悪くする人がいるなら…」

「他人のせいにするの、ズルいよ。自分の意志を他人に依存させないでよ!」

 夕美ちゃんは、とても困ったように苦笑している。
 その表情が余計に腹立たしくて、こんな感情任せになるのはカッコ悪いのに、でも止められない。

「夕美ちゃんがどうしたいのかを教えてよ。
 大体、イメージが悪くなったっていうなら、ますますあの子達のせいじゃん。
 何でそれを見過ごしたの? それとも夕美ちゃんは元々アイドルなんてやりたくなかった?
 そんなはずない。レッスンだってあんなに頑張っていたでしょ、夕美ちゃん。
 あの子なんて、夕美ちゃんに比べれば全然大したこと無かったのに、何でそんな子のために遠慮する必要があるの?
 一部の人間の八つ当たりと身勝手のために、あの頑張りを無駄にしていいって、そう言ってるんだよ夕美ちゃんは!」



「あの人……私が入るずっと前から、事務所で候補生やっていたんだって」



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