102:名無しNIPPER[saga]
2019/04/29(月) 01:33:12.73 ID:SYS+AFC90
彼女の方を直視することなく、澄み渡る夜空にあたしの笑い声を無理矢理に溶かしていく。
全部全部、何もかも忘れさせてやりたかった。
夕美ちゃんの思考も。今回のことで、怒ったり悲しんだりした人の思考も。
もちろんあたしも。
くだらない事象で埋め尽くして、この世界をどこまでもどうでも良くしてやろうなんて。
「にゃっはっははは、そうだ夕美ちゃん!
すっごく良いアイデアがあるんだ。夕美ちゃんあたしと一緒に住もうよ。
でね? 夕美ちゃんの部屋は全部リフォームして植物園にしよう。プロデューサーへの説得はあたしがしよー。
大丈夫、手段を選ばなければ同意を得るのは難しくないよー実践したことは無いけど。心配しないで。
アイドルとして活動できなくても籍を置かせてもらえればいいし、それが無理なら別に違う場所を二人で探せばいいし。ねっ?
夕美ちゃん、何も……」
「志希ちゃん」
振り返ると、夕美ちゃんは、小さく笑っていた。
渡した缶ビールは、開いていないままだった。
「ありがとう。志希ちゃんのそういう優しさ、私、大好きだよ」
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