24: ◆XUWJiU1Fxs
2019/04/25(木) 00:43:56.28 ID:cgXM4cARO
「コンサート、やるみたいですよ?」
「えっ?」
どうやらここではパイプオルガンによるコンサートが毎日のように開かれているらしい。オルガンの前に立つ少女が一礼をし、弾き始めると祭壇の中に重厚な音が広がり渡る。……ん? 少女?
「っ!?」
驚きのあまり思わず大声を出してしまいそうになるがすんでのところで口を噤む。俺の目に間違いがなければ、今オルガンを弾いているのはゆかりとさほど変わらないくらいの少女だ。それも、日本人。
「……」
隣に座るゆかりも開いた口が塞がらない、といった具合だろう。しかし紛れもなく、目の前の光景は真実だ。最初は受け入れ難かったものの、
彼女の演奏技術は本物であることがわかるとただ静かに聞き入っていた。両手だけが自然と宙を奏でて、自分自身が黄金のオルガンを奏でている気分になったかのように。
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