【デレマス】 偶像ルネッサンス
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51: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 23:38:38.36 ID:8+PeY8Rzo
 
「ここ……」
「どうかしたのか?」

プロデューサーが戻り寄って入り口近くの立て看板に目をやった。
文字はかすんで読みづらく、所々ヒビや穴すら開いているその看板は、階下に地下劇場が存在することを示している。
耳を澄ませて薄暗い階段の奥から聞こえてくるのは、くぐもった重低音と時折挟まれる甲高いかけ声、そして獣じみた鳴き声に近い歓声、それらの繰り返し。

「知ってるのか?」
「………………いえ、でもなんだか……」
「気になるなら見てく?」

曖昧な返事しかできなかった蓮実と立て看板を交互に見てから、プロデューサーが提案した。

「……いいんですか?」
「こういうとこには面白い発見があるもんだ。 お前が感じ取ったんなら尚更そうだろうよ」

何となく察してくれたプロデューサーにひっそり感謝しつつ、その薄暗い階段を一段一段降りていく。
一歩進むごとに重低音は少しずつ大きくなり、頭や腹にまでその振動が伝わってくるのを感じながら。

そしてミュージックが一際大きくなったのと同時に、目の前にある少し錆びた両開き扉の向こう側が、その音の源であることが分かった。
プロデューサーと軽く目配せしたあと、蓮実は力を込めて、その扉を開いた。


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