42: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 23:08:19.30 ID:8+PeY8Rzo
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「ああいう頭の固い連中と仕事をするのは面倒くさいねぇ」
仕事を選べるほど俺はまだまだ偉くないけど、と付け加えてプロデューサーは白けた笑いを浮かべた。
二人して事務所に戻って来たあと、ちひろがお茶を淹れてくれたので揃って一休みと相成った夕暮れ時。
「何も分かってない。 あの手は表面的な技術とか、ルックスの華やかさとか、新人をそういう目でしか判断できないんだ……
『昭和の清純派を目指している』なんて言えば、イロモノ扱いしかできない」
「そんなに悪く言っちゃダメですよ。いつもお世話になっていることに変わりないんですからね、プロデューサーさん」
ちひろがそっとたしなめる間も、プロデューサーはぶつくさと独り言を続けていた。
「俺からすりゃ、長富ほど面白い逸材は他にいないのに」
「ありがとうございます、プロデューサーさん……気休めでも嬉しいです」
「気休めなんかじゃない。 その証拠に、ほらネットの反応見てみ」
「…………?」
プロデューサーがこちらに向けてくれたスマートフォンの画面を、蓮実はじっと見つめてみた。
慣れないブルーライトに目をチカチカさせながら、小さな文字を滑るように追いかける。
どうやらインターネットの掲示板のようで、そこには今日のライブに出演していたアイドルたちの感想が書き並べられている。
その中で、いくつかの書き込みが目に入った。
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