39: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 23:03:42.49 ID:8+PeY8Rzo
「ま、上に伝えとくわ」
「悪いね! 346さんには普段からお世話になってるからこそ、なんだよ」
「分かった、分かった」
「んなワケで、その、またよろしくお願いしますね! あはは……」
「はいよー」
スタッフが立ち去ったあと、プロデューサーは――深く息を吸い込んで、ため息のように大きく吐き出し、振り返ってカツカツと歩き出した。
すぐ手前に潜んでいた蓮実が慌てて退がろうとしても既に遅く、
「うおっ……」
「!」
隠れていた曲がり角にさしかかった彼は、すぐさま蓮実の影に気がついた。
「……聞いてたのか?」
「…………はい」
「立ち聞きたぁ感心しないな」
すみません、と蓮実は声にもならない謝罪をひっそりと吐き出した。
「まあ、ここの方針とは合わなかったんだよ。 そういう事は誰にだってある」
「……そうですか」
「帰るぞ」
足早に過ぎ去るプロデューサーを、蓮実は黙って追いかけるしかできなかった。
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