21: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:37:05.41 ID:8+PeY8Rzo
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「……うん。 発声はまだまだ練習しないとだけど、音程はきっちりとれてますね」
「本当ですか? ありがとうございます♪」
初めてのレッスンがボイストレーニングだと知り、蓮実は嬉しくてたまらなかった。
大好きな歌。ダンスも自信はないしえくぼもできないけれど、こればかりはいつだって欠かさずずっと続けていた大事なものだ。
プロとしての第一歩を歌で飾れるというだけで、何だか上手くいっているような気がして、浮かれたようにレッスン室の扉を叩いた。
トレーナーの女性も親身に練習を見てくれて心強い。
30分ほど続けた後、一旦休憩を取ってしばし世間話。
「歌の練習、ずっとしてたの?」
「練習と言いますか……ずっと好きで歌ってた曲が、いくつもありましたから」
蓮実の趣味についてはトレーナーもあらかじめある程度知ってくれているようだ。
聞き上手なばっかりに話を際限なく広げるのをこらえながら、蓮実は昔からの想い出について色々と語ってみた。
母親が子守歌代わりに聴かせてくれたレコードのこと、ぬいぐるみを並べてコンサートごっこをして遊んでいた幼い頃のこと。
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