8: ◆CS7uVfQgX.[saga]
2019/03/26(火) 20:51:09.99 ID:jalGf1Kc0
◆◆◆◆
午前9時18分。
もう何回目か、携帯で時間を確認してすぐにまたポケットにしまう。もうこの場所に着いてから30分近く経つ。まだ待ち合わせの時間まで40分はあるのだからどこかのカフェで座って待っていればいい気もするのだが、今この時にでも彼が来るかも知れない。そう思うと移動する気になれなかった。
9: ◆CS7uVfQgX.[saga]
2019/03/26(火) 20:51:49.83 ID:jalGf1Kc0
「もっ、もしもしっ?」
『もしもし。百合子?』
「はっ、はい!どうかしましたか?」
10: ◆CS7uVfQgX.[saga]
2019/03/26(火) 20:55:26.79 ID:jalGf1Kc0
◆◆◆◆◆
電話を終え、アプリを落とす。百合子の様子は…、と姿を確認してみると「うわっ」と思わず声が出た。漫画でよく見るような背景に浮かぶ線が見えるかのごとく、分かりやすく沈んでいる。それなのに、自分もまだ家から出ていないなんて嘘をつくことでPの罪悪感を減らそうとする気配りがいじらしい。
そんな百合子の様子を見て、ちょっとやりすぎた、と自責の念が浮かんでくる。これは本格的に謝らないと許してもらえないかもなぁ。そんなことを思いながら、Pは時計の下へ歩を進めていった。
11: ◆CS7uVfQgX.[saga]
2019/03/26(火) 20:58:12.37 ID:jalGf1Kc0
◆◆◆◆◆◆
はぁ、プロデューサーさん遅れちゃうのかー。でもしょうがないよね、プロデューサーさん忙しいんだし。
12: ◆CS7uVfQgX.[saga]
2019/03/26(火) 20:59:08.87 ID:jalGf1Kc0
◆◆◆◆◆◆◆
「百合子!」
百合子が時計の下から移動しようとしていたため、慌てて声をかける。
13: ◆CS7uVfQgX.[saga]
2019/03/26(火) 21:00:25.55 ID:jalGf1Kc0
「誰がドッペルゲンガーだ」
ツッコミ替わりのチョップを振り下ろすと、脳内お花畑妄想少女は「あ痛ぁ!?」と悲鳴を上げる。
「あっ、えっ、本物ですか?」
14: ◆CS7uVfQgX.[saga]
2019/03/26(火) 21:01:44.62 ID:jalGf1Kc0
プロデューサーさんはいつも私をからかってばっかです、とか、さすがにタチが悪すぎます、といった不満が次々とあふれ出す。そんな姿を見て、やっぱ百合子はイジけてる様子が可愛いんだよなぁ、とPは内心思う。こんなこと言ったら底意地が悪いとそしられそうなので口には出さないが。
「悪かった悪かった。お詫びに今日なんか本でも奢るから」
「えっ、あっ、ほんとですか!?」
15: ◆CS7uVfQgX.[saga]
2019/03/26(火) 21:07:17.75 ID:jalGf1Kc0
これにて完結です。
有川浩さんの小説が面白すぎて自分でも似た感じで書こうと思ったんですけど無理でしたね。有川浩さんマジ神。
ということで、恋愛模様を書かせたらピカイチな有川浩さんの小説オススメです。『阪急電車』とか神作です。
16: ◆NdBxVzEDf6[sage]
2019/03/26(火) 21:15:42.70 ID:wTgBl7sy0
本をおごるところも見たかったな
乙です
七尾百合子(15) Vi/Pr
i.imgur.com
17:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/26(火) 21:20:40.17 ID:tUJWlYEX0
お疲れ様でした
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