【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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292: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/06/09(日) 00:36:02.50 ID:r9PzCrqV0


小さく舌打ちが聞こえた。


まほ「……余計な事を」


忌々しさ、苦々しさを隠さず顔をしかめるまほにたち短髪の少女が前に出ようとするも、その肩を長髪の少女が掴んで止める。

そして入れ替わるように前に出ると、優しく、気遣う様な声をかける。


「あなたが一生懸命なのはよくわかるけど、だからって今のやり方はおかしいわよ」

まほ「……私が乗るフラッグ車のメンバーなんだ。私の指示についてこれるよう他の隊員以上に練習するのは仕方がない」

「だからっ!!そうじゃねぇって言ってんだろっ!?」


我慢できなくなった短髪の少女が机を叩いて体を乗り出す。

額同士がぶつかるほどの距離でも、まほはまったく表情を変えない。


「お前、昨日はいつ寝た?食事はちゃんとしてるのか?」

まほ「……お前には関係ない」

「目元、クマが酷いぞ」


その指摘の通り、まほの目元にはクマが濃く表れている。

目は充血し、髪はツヤが無く、短く切りそろえているからこそ辛うじて人前に出られる程度には整えられている。

そんなまほの様子に長髪の少女が懇願するように両手を胸の前で握りしめる。


「お願い隊長、ちゃんと休んで……みんな、心配して……」

まほ「問題ない。この程度なら決勝でも問題なく戦える」

「お前っ……」

「……なら、せめて赤星さんを止めて。あの子はある意味……あなた以上に危ういわ」


今にも殴り掛かりそうな短髪の少女を手で制しながら、長髪の少女がそう訴える。

今のまほには説得が届きそうにはない。ならせめて、後輩の事だけでもなんとかしておきたい。

そんな彼女の考えを知ってか知らずか、まほはまるで心配した様子もなく、


まほ「……普段の練習はしっかりやってる。副隊長としてもまぁ……及第点だ。私から言う事は無い」

「お前の目は節穴か?あいつ、今にもぶっ倒れそうだぞ」

まほ「……まぁ、それならそれで仕方ないさ」

「あ?」


まほが軽く、まるで明日の天気でも伝えるかのように言った言葉に、低く唸るような短髪の少女の声がぶつかる。


まほ「言って聞くようならそもそもあそこまでにはならないだろう。それに……」




まほ「別に、副隊長なんていてもいなくても変わらないさ。私がいれば充分なんだからな」






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