99: ◆QjbAJuMwBnbV[sage saga]
2019/05/20(月) 20:32:34.51 ID:Y43jmR6h0
花丸「ところで、梨子さんが今夢中になってる本って?」
梨子「ん?ああ、えっとね…」
マルが質問すると
梨子さんはゆっくりと一つの本棚の前に移動して、一冊の本を指さしました
梨子「これ」
花丸「それは…タゾノミウ先生の運命の幼馴染だね。その話の…」
梨子「ストップ!花丸ちゃん待って!」
花丸「!?」ビクッ
梨子さんは両の掌を開いて静止のポーズをとってマルの言葉を遮る
花丸「ど、どうしたの?」
梨子「ごめんね大きな声で。さっきも言ったけどその本今読んでてね、まっさらな気持ちで読みたいからちょっとした感想とかも耳に入れないようにしてるんだ」
花丸「あ〜…!そっか、そうだよね。マルとしたことが浅慮だったずら」><
同じ本好きとして禁忌を踏みそうになったことを悔いたマルが
手の先で軽く自分の頭を叩く仕草をすると
梨子「くすっ、あははっ♪…花丸ちゃんって、ときどき面白い動きするよね」
花丸「えっ?そ、そうかな」
突然笑い出してそういう梨子さんに、マルはドキッとして
小さい頃、マルの古くさい言葉遣いや習慣をからかわれた時のことを思い出しそうになりました
でも
梨子「そうだよ。すごく可愛くて私好きだよ」
花丸「えっ?…そ、そう、なの?」
梨子「うん。大好き」
そう、重ねて真っ直ぐな好意を言葉で伝えられて
少し哀しい思い出がそのまま嬉しい気持ちで上書きされていくように消え去っていきました
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