8:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:39:30.03 ID:MVMHgjBu0
と、そこで母の言葉は止まった。
何か言いかけた言葉を飲み込んだ、そんなふうに。
けれどそのことを私が問う前に、
千種「遠慮しないで、言うのよ?」
9:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:40:50.53 ID:MVMHgjBu0
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千種「――選ぶの、上手なのね」
10:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:43:12.14 ID:MVMHgjBu0
千種「料理も、お友達と一緒にすることがあるの?」
千早「多くはないけれど……オフが重なる日はほとんど無いから。でも、時々は」
千種「そうよね……。学校のお友達とは、そういうことはしないの?」
11:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:45:34.90 ID:MVMHgjBu0
それでも、こうも質問攻めにされると、
なんとなくそういうものなのかなと考えてしまうのは、きっと仕方のないことだと思う。
とは言え質問されること自体は決して嫌ではない。
寧ろこうして滞ることなく会話を続けられていることに、私は安堵していた。
12:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:47:04.11 ID:MVMHgjBu0
いや、きっと特別なんだろう。
私にとって、今日のこの出来事は「特別」。
だって……今日は私の誕生日なんだから。
誕生日という日は、「特別」でいいんだ。
13:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:48:44.86 ID:MVMHgjBu0
それなりの値段になったはずだけど、代金はすべて母が支払ってくれた。
私が財布を探っている間に、カードで支払ってしまったのだ。
お会計が終わってからもちろんお金を渡そうとしたけれど、
母は『誕生日プレゼントの代わり』と、受け取ろうとしなかった。
そう言われると、私も折れるしかない。
14:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:50:07.92 ID:MVMHgjBu0
私が違和感について考えるより前に、母は話題を変えた。
そのおかげで私はまた、それ以上違和感について考えることはなくなった。
千早「ケーキって、もしかして……」
15:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:51:10.12 ID:MVMHgjBu0
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日が暮れかかった頃。
私と母は、二人並んでキッチンに立っていた。
16:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:53:15.10 ID:MVMHgjBu0
千早「包丁、もう使わないわよね? ボウルも」
千種「ええ」
千早「お醤油はまだ使う? お塩は?」
17:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:54:56.92 ID:MVMHgjBu0
千早「それじゃあ……いただきます」
千種「いただきます」
二人手を合わせて、まず最初にお味噌汁に口を付ける。
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