おじさん「長富蓮実…?」
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3:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 20:53:44.12 ID:vutjDZzWo
 
大学に入って多少金の融通が利くようになると、私はアルバイトで稼いだ金をほとんどコンサートの遠征費に費やした。

地方でのコンサートに行くと、現地での出会いというのも自然と増える。
何度も同じ場所で出くわせば、そのつもりがなくともお互いを認識し、やがて同志の盃を交わすようになるものだ。
年齢も本名も知らぬ間柄だが、同じ少女を追いかけるもの同士の結束は固く、
いずれその仲間はどんどんと増えていった。
普段は滅多に会えぬその同志たちとは、文通や電話でアイドルたちの活躍について何度も語り合った。

私の生活はますますアイドル一色だった。
オタクだと言われても否定はしない、認めよう。
それでも私なりの、輝かしい80年代の思い出だ。

そんな気持ちは、いつの間に忘れてしまったのだろう。

大学を出て、会社勤めを始め、より金が貯まった頃には時間がなくなり、日々の仕事に追われてだんだんと熱は冷めていった。
毎回遠征していた地方のコンサートも一回おき、半年おき、一年おきと、少しずつ足が遠のいていってしまった。

当然、地方の同志たちとの交流も日に日になくなっていく。

のちの妻と出会い、結婚し、娘が産まれ……生活がどんどん私の中で大きくなっていき、気がつけば昔の趣味の記憶は彼方に置き去りにしてしまっていた。
それに合わせるかのように、かつて私が熱狂的なまでにその姿を追い続けていたアイドルたちはいつの間にかステージを降り、
ミュージシャンに転身するもの、芸能界でタレントとしてのセカンドキャリアを積むもの、引退して普通の生活を送るもの、
時には十数年ぶりにTVに出たかと思えばワイドショーでのスキャンダルだったりと、
その姿も時を経てすっかり変わり果ててしまった。

私の愛したアイドルは、私が流行から離れた隙に消え去ってしまったのだ。


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