27:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 21:39:34.56 ID:vutjDZzWo
けれども一つだけ言えるのは、たった一目見ただけの長富蓮実という存在は、
三十数年来の青春の興奮、その一片だけでも蘇らせてくれたということ。
主観に塗れた決め付けかもしれないが、思い出がフラッシュバックする瞬間というものはそういう理屈を超越したものが作用しているのだろう。
だがもし彼女が本当に懐かしのアイドルの再来だったとして───
平成も終わろうとしているこの時代で、この先大成することは叶うのだろうかと。
流行り廃りの激しい芸能界、あの頃の私の憧れだった存在は、今の世でどのように評価されるのかなどと。
「どう思う?」
「その心配はありませんよと、私は胸を張ってお答えしますぞ」
「なぜ」
「あなたがその証拠ですよ」
なぜ、ともう一度素っ頓狂に訊き返す。
「だって、イマドキの流行にはついてゆけん! としばしば言っておられましたでしょうに、それでもそんな隊長殿を惹きつけ、イベントに足を向けさせ、今こうやって彼女のことを考えさせているのは紛れもなくハスミンの力ですぞ」
むむ、そうはっきり言われるとまだ気恥ずかしい。
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