25:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 21:34:27.26 ID:vutjDZzWo
「ツイッターで彼女のことを知って……昔ながらの女の子で今時珍しいなと、興味を抱いたもので……それだけなのです」
「お気持ちはありがたくいただきます。それでも、今日のところは会わせて差し上げることはできません。ご了承いただきたい」
気恥ずかしさもあったが、マネージャーが私より歳上に見えたのもあり、気づけば正直に話してしまった。
ただこちらに悪意がないのが伝わったのか、マネージャーの表情もどこか穏やかになっている。
「あと……ファンがいて下さったこと、長富にも伝えておきます」
とにかく今日は、トライアドプリムスのほうをよろしくお願いします―――
それだけ口にして、マネージャーは去って行った。
「ファンか……」
知り合いに誘われるがままやって来ただけの、古くさいアイドルオタク崩れでしかないくたびれた中年の私が、
再び胸を張ってアイドルのファンですと名乗るのはなんだか後ろめたい。
それでも今日、結局面と向かって会うことの叶わなかった長富蓮実が、
いずれ自分自身の握手会などを開けるよう、アイドルとして成功して欲しいと遠慮がちに応援し始めていることも事実だった。
マネージャーの姿が見えなくなってから、ようやく我に返った私はいそいそと握手会の列に並び直すことにした。
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