モバP「Mirror」
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7:名無しNIPPER[saga]
2019/02/08(金) 22:17:33.19 ID:441QTGT20
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「モデルをやっていた理由、ですか」


 ゴミゴミしていて、うら若き女性を連れるにはおよそ相応しくない店である。
 ただ、喧噪がある分聞き耳を立てられる心配も無い。

 それに元々、こういう店の方が彼女の好みだ。


「たぶん、何者かになりたかったんだと思います」

 人差し指を口元に寄せて、うーん、と悩ましそうに呻きながら、彼女の視線は空を彷徨っている。

「きっかけ自体はスカウトでしたが、続けていたのは、そういうことなのかなぁって」
「色々な服を着れるし、みたいな?」
「はい、たぶん」

 この人はいつもそうだ。
 自分の事なのに、どこか他人事のように話す。


「ただ、シチュエーションを与えられて、言われるがまま被写体に徹しても、結局、自分はそこにいないんですよね」

「不満でした?」



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