モバP「Mirror」
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20:名無しNIPPER[saga]
2019/02/08(金) 22:33:24.82 ID:441QTGT20
 だから、楓さん──。

 もし、あなたが誰で、何のために生きているか。
 あなた自身がそれに迷う時があれば、その謎が早く解けるよう、俺は──。

「でも、こうして誰かを喜ばせることができたなら、私も生きてて良かったなぁって」
「いい大人の女性が、変顔なんてそう軽々しくやらない。
 どうせアイツら、高垣楓の変顔を見たって明日学校で言いふらしますよ」
「あら。いいじゃないですか、立派な需要です。
 そうする事で、この先もずっと、あの子達にとっての良い思い出になれたら」


 遠慮無く、いくらでもぶつけてほしい。
 気の済むまで、相手になろう。

 あなたが笑えば俺も笑うし、泣いたり怒れば同じようにする。
 あるいは、あなたが笑う時、俺は怒っているかも知れない。

 そんな、ちぐはぐだろうと、高垣楓を見出すための鏡となってそばに立ち、あなたを映し続けよう。

「そう願う今日この頃です♪」
「何言ってんだ──よしっ!
 店じまいしましょう。戸締まり手伝ってください」
「ポットの電源は切りました。今日は、どこに行きますか?」
「いいですよ、どこでも」
「まぁっ」


 ふと、窓のブラインドを下ろす時、先ほどのカップルがちょうど歩き出していくのが見えた。

 舗道に沿って、幸せそうに。


〜おしまい〜



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