10:名無しNIPPER[saga]
2019/02/08(金) 22:21:49.75 ID:441QTGT20
「ただ、あの日のプロデューサーは、ふふっ──」
「やめてください」
思い出すだけで死にたくなる。
相当酔っ払ってた俺は、彼女を目に留めた途端、脇目も振らずにスカウトに走った。
いや、あれはナンパと言われても否定できない。
高校生の方がまだマシな文句を言えただろう。
傍から見れば、あの時の俺は、ありふれて使い古した言葉を並べるだけの、実に単純な恋をする猿だった。
「いいえ、本当に──ありがとうございます、プロデューサー」
いつの間に運ばれてきた徳利で、いつの間に空けていた自分のお猪口を満たすと、楓さんはそれを俺に向けて掲げた。
「私は、ずっと一人でした──
それが、今ではこうして相手になってくれる人が、私を見出してくれます」
――――
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