1:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/05(土) 00:19:41.98 ID:5AyZaIPq0
「ちゅーすっぞ」
初詣に対して、どうしても元日にお参りせねばならないといった強迫観念を持ち合わせて居ない俺たちは、三が日が終わり、丁度良い感じに参拝客が疎らになった頃合を見計らい、今年一年の諸々を神様によろしくお願いしに来た。
御手洗で手と口を清め、鈴を鳴らし、たった今、二礼二拍一礼を終えたところなのだけど。
「は?」
「ちゅーすっぞ」
連れがよくわからないことをほざいている。
「お前な……神前だぞ?」
「だからこそ、ご利益がありそうじゃんか」
「ご利益って……絶対バチが当たるだろうが」
いくらなんでもこのシチュエーションでキスはあり得ないだろう。しかし、連れは納得せず。
「いいじゃん、付き合ってんだし」
「その大義名分が通用する場所じゃないだろ」
「私とキスしたくないのかよ?」
「少なくとも今この場ではお断りだ」
「ちぇっ……けちんぼ」
ケチじゃなくてエチケットを守ってんだよ。
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/05(土) 00:22:38.01 ID:5AyZaIPq0
「んじゃあ、帰ったらちゅーすっか?」
参拝を終えて、来た道を帰る道すがら、懲りずにキスの話題を振る恋人を、適当にあしらう。
「そういうムードになったら、考えてやる」
3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/05(土) 00:26:10.41 ID:5AyZaIPq0
「ただいま」
「おかえり。早かったわね」
帰宅すると、リビングから姉が顔を覗かせた。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/05(土) 00:28:50.40 ID:5AyZaIPq0
「ま、ざっと、こんなものね」
「い、息が苦しい……」
「文句言わない!」
「は、はひっ!」
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