2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/05(土) 00:22:38.01 ID:5AyZaIPq0
「んじゃあ、帰ったらちゅーすっか?」
参拝を終えて、来た道を帰る道すがら、懲りずにキスの話題を振る恋人を、適当にあしらう。
「そういうムードになったら、考えてやる」
「なんで偉そうなんだよ? 頭下げろっての」
「どうして頭を下げる必要があるんだよ」
「せっかく、ちゅーしてやろうと思って提案した私がバカみたいじゃんか」
なるほど。どうやら認識に齟齬があるらしい。
「いつ、誰が、キスしてくれと頼んだんだ?」
「ちゅーしたそうな顔してただろ?」
「どんな顔だよ、それは」
呆れると、彼女は正面に回り、見つめられた。
「……なんだよ」
「いひひ……今、私の唇を見てただろ?」
「……見たら、悪いのかよ」
「別に? てか、私に言うことあるっしょ?」
「……意地張って、ごめんなさい」
どんなに不本意でもとりあえず謝っておく。
「よしよし。それでいいんだよ、それで」
「……本当に性格悪いな、お前」
「そんな私が好きなんだろ?」
まあ、好きだから、付き合ってるわけで。
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