魔王「停戦協定を結びに来た」受付「番号札をとってお待ちください」
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20: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2018/12/31(月) 22:09:28.63 ID:sCIvJdmA0

 喉が鳴る。傭兵としてのあたしが戻ってくる。
 いやいや、だめだ、だめでしょ。落ち着いて。傭兵は雇い主の意向が絶対なのだ。そこを放棄しては矜持に関わる。次の仕事にもありつけない。悪評は振り払おうにも、どうしたって着いて回るものだから。
 あくどいことに躊躇はなくても、それは決してお尋ね者になることを厭わないということでは、ない。あたしはまだ往来を闊歩したいのだ。

 それにしたって、この目の前の四人、「勇者」とやら。本来なら一介の人間が逆立ちしたって敵いっこない魔族を、既に三体倒しているというのは、かねてからあたしの耳にも届いていた。

「……」

 ちらり、横目で伺う。見てくれは十分に若い。人間の年齢の類推は、エルフのあたしには難しいけど、まぁ熟練を究めたというようには見えない。
 ただ、それでも明らかに、そのへんを歩いている一般市民とは一線を画す気配があった。努めて隠しているようだけど、隠しきれないほど強大なオーラ。人間の強さは個体差があるとは知っていたけど、きっとこの四人は規格外。埒外。外れ値。




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