魔王「停戦協定を結びに来た」受付「番号札をとってお待ちください」
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19: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2018/12/31(月) 22:08:42.21 ID:sCIvJdmA0

――殺すか?

 一瞬だけ剣呑な考えが頭をよぎるも、あたしはかぶりを振ってその暗い雲を弾き出した。ここは戦場ではない。アトレイはそうすることをあたしに望んでいない。例え仇敵であろうとも。
 それは傭兵としてのあたしの打算であったけど、同時に、あたしの「ハルルゼルカル」としての欲求は別のところにあった。

 戦ってみたい。

 今ここで活性のルーンを四肢に向けて多重起動し、身代わりの護符を懐に忍ばせ、魔力の矢をぶちまけたらどうなるだろう。それさえも捌かれたら、魔法だって解禁できるかもしれない。
 一体何分と原形を保っていてくれるだろうか? 五分? 十分? それ以上だったら、最早歓喜の歌だって唄える気がした。

 あたしの菫色の虹彩が光に満ちる――輝きを放つ瞳は、魔法使いの特徴だ。魔術師ではなく。そんなごまんといるものじゃなく。




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