勇者「彼は正しく英雄だった」
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67:名無しNIPPER[saga]
2018/12/27(木) 23:36:13.30 ID:hSRFEIsWO

「……冗談だろ」

異様だった。

傭兵の額には汗一つなく、じっと戦士を見つめている。それは観察しているようにも見えた。

幾ら防御に徹していたとしても重圧はある。当然、しくじれば死ぬ。

にも拘わらず、汗一つない。

表情にも一切変化はない。戦士にも、自分の生死にさえも関心がないように見える。

と言うことは、既に死を受け入れていたのか。或いは体質という可能性もある。

前者だとしたら疑問が残る。

何故、亡国の傭兵は攻撃を防ぎ続けたのか。

本当に防戦一方だったなら、顔に出さないとしても冷や汗の一つは流れるはずだ。

その時、戦士の脳裏に一つの仮説が浮かび上がる。

(なら、俺は最初から……)

その時視界の隅、傭兵の後方に何かが浮かび上がった。ぼんやり光る、真ん丸の何かだ。



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