勇者「彼は正しく英雄だった」
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66:名無しNIPPER[saga]
2018/12/27(木) 23:30:47.59 ID:hSRFEIsWO

しかし、更に速度が上がる。

どうやら、傭兵が反応出来る速度を見極めていたようだった。

傭兵の胸当てに深い傷がつく。敢えてそうしたのか、戦士には明らかな落胆の色が見えた。

「憧れてたよ。今は悲しいだけだけどな」

急激に距離を詰めて一層強く振り下ろされた戦士の剣は、傭兵の剣を叩き落とした。

傭兵はただじっと戦士の瞳を見つめ、何かを察したようだった。

「覚悟は出来てんだな」

「あんたには憧れのままでいて欲しかった。安心しろ、このことは話さない。あんたは伝説のままだ」

喉元に切っ先を突き付けながら、落胆と後悔が入り混じった声で戦士は言った。

攻め続けた結果戦士は肩で息をしており、額から頬に幾筋もの汗が伝っている。



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