勇者「彼は正しく英雄だった」
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48:名無しNIPPER[saga]
2018/12/27(木) 21:58:01.94 ID:hSRFEIsWO

魔法使い(あんなの、退屈なだけだ……あっ)

その時、酒場の扉が開いた。

喧騒は止み、誰もが息を呑んだ。

その傭兵はこれといって大した特徴のない男だが、それ故に特徴的と言えた。

若くはないが、それほど老けてもいない。

気の抜けたような、隙なく構えているような、強いような、弱いような、温和そうであり、冷酷そうでもある。

よく分からない男だが、その矛盾した印象が与えるのは恐怖によく似たものだった。

彼に関する尾ひれのついた噂や伝説。

それが尊敬や畏怖、疑念を煽り立て、場の空気は更に凍り付く。

今やたった一人の男に、酒場にいる屈強な傭兵達は呑まれていた。



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