333:名無しNIPPER[saga]
2019/01/27(日) 01:22:39.83 ID:8oN8VcFcO
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「ハァッ、ハァッ」
監視者は走っていた。戦場は目前にあり、魔術の炸裂する爆音が響く。
彼女の姿は確認出来ないが、狐が火球を放ちながら空中を駆け、大猿は岩の拳を兵士達に叩き付けている。
しかし兵士達は翻弄されることなく対処しており、徐々にではあるが確実に魔物の体に傷を増やしている。
楯で円陣を組みながら魔術を防御し、楯の内側から槍で突く、これを堅実に繰り返している。
楯には何やら紋章が彫り込まれており、それによって強力な魔術の防御を可能にしているようだ。
「見えた。彼女だ」
戦場が眼前に迫った瞬間、吠え声が轟いた。
内蔵を振るわす吠え声が兵士達を揺さぶる。魔術ではなく単純な音圧。
近場で聞いた兵士達は膝を突き、視界さえも揺さぶられ、狐と大猿がその隙を逃さず襲い掛かる。
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