長富蓮実「ザ・ラストガール」
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5:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:08:21.23 ID:wXX+fiS7o
 
母が観客で、私がアイドル。
二人だけのコンサートを母は毎回にこやかに見守り、最後にはいっぱいの拍手をくれました。
私は気をよくしてその都度「おおきくなったらセイコちゃんみたいなアイドルになる!」と自慢げに話していたとか。
母が用事でいないときも、私は押し入れからお気に入りのぬいぐるみや人形を引っ張り出して、周りに並べて、私だけのコンサートを開いたりもしていました。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:09:57.17 ID:wXX+fiS7o
 
――――――

先ほどのように、私の好みが「古くさい」の一言で片付けられるのは、今に始まったことではありませんし、特に驚きもしません。

以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:11:33.02 ID:wXX+fiS7o
 
――――――

人生を変える出会いなんてものがあったとして、人はその出会いを何年も後になって振り返り、
「あぁ、確かにあの出会いは自分を変えてくれたのだな」とじわりじわり実感していくものです。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:12:38.07 ID:wXX+fiS7o
 


「はぁ、はぁ……それでは最後の曲です! 今日は会いに来てくれて、本当にありがとうございました〜〜!!!」

以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:14:04.36 ID:wXX+fiS7o
 
都会のビルの地下にある、小さくて古くて暗いこんな場所にもアイドルがいて、一生懸命になって歌っている。
子供で、無知だった私には驚きでした。
自分の中のアイドル像は、私の生まれるずっと前の、在りし日の彼女たちの姿であり、TVでの華々しい光り輝くステージばかりを眺めてきた私にとって、
今ここにいるアイドルのような人は、想像していたのとは全く異なる舞台にいたのです。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:15:06.86 ID:wXX+fiS7o
 
──────

最後の一曲が終わり一旦退場していったあと、アイドルのお姉さんはもう一度前へ出てきて、
今度は小さな箱を抱え、買ってください、一枚500円です、というように観客席の方へ叫んでいました。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:16:45.01 ID:wXX+fiS7o
 
「今日は観に来てくれてありがとうございます! よかったら、CDも一枚500円で発売中ですので、ぜひぜひお買い求めください! キャハッ☆」
「あ、いえ……わたし……」

お姉さんが最後に軽くポーズを決めると、頭につけたウサギの耳もぴょこんと跳ねていました。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:18:39.76 ID:wXX+fiS7o
 
──────

一緒に地下の劇場から街へ出て、お話をしながらお母さんを探しました。
アイドルのお姉さんはすごく可愛らしくて優しくて、私の話を楽しそうに聞いてくれます。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:20:03.52 ID:wXX+fiS7o
 
「そうだ。はすみちゃんの好きなアイドルは誰ですか?」

今度はお姉さんが質問してきます。

以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:22:06.49 ID:wXX+fiS7o
 
「子供のころからずっと、昔のアイドルが好きだったんですか?」
「はい、お母さんが大好きで、私もずっと聴いてて……」
「歌ったり?」
「は、はい!」
以下略 AAS



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