11:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:16:45.01 ID:wXX+fiS7o
「今日は観に来てくれてありがとうございます! よかったら、CDも一枚500円で発売中ですので、ぜひぜひお買い求めください! キャハッ☆」
「あ、いえ……わたし……」
お姉さんが最後に軽くポーズを決めると、頭につけたウサギの耳もぴょこんと跳ねていました。
「……ご、ごめんなさい! その……勝手に入っちゃったんです。お母さんと一緒にいたんだけど、はぐれて……探してたら、ここに来て、それで……うぅ……」
しどろもどろに言葉をつなぎ、泣きそうになりながら必死で説明しようとします。
「そうなんですか? あらら……てことは、ここには迷い込んじゃったってことなんですね?」
「はい……ごめんなさい」
「気にしなくていいですよ。良かったらお母さん、一緒に探しましょうか?」
「でも、どこにいるか分からなくて」
「じゃあ、交番まで連れて行ってあげますよ!」
一人で不安だったのは確かなので、ここはお姉さんに甘えることにしました。
お姉さんはスタッフの方へ行ってなにやら話をした後、また戻ってきました。
「じゃあ、行きましょう! ……あ、その前に」
先導しようと数歩進んだお姉さんが振り返ります。
「ステージ、どうでした?」
「えっ……えっと、すごかったです!」
本当はもっといろんな言葉で伝えたかったのですが、上手く表現できません。
「わぁ、よかった! お嬢ちゃんみたいなかわいいお客さんは、とっても珍しいんです。そうだ、お名前を聞いてもいいですか?」
「はすみ、です」
「はすみちゃん……とっても可愛らしい名前ですね!」
「えへへ、ありがとう……」
どうやら、勝手に入ったことは怒られていないようで安心しました。
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