14:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:22:06.49 ID:wXX+fiS7o
「子供のころからずっと、昔のアイドルが好きだったんですか?」
「はい、お母さんが大好きで、私もずっと聴いてて……」
「歌ったり?」
「は、はい!」
「ですよね。 はすみちゃん、声すごく綺麗ですし、歌うの好きそうですし」
「えぇ〜、そうかなぁ……?」
「ええ! 歌がうまいんだろうなって、分かりますよ」
「あ、ありがとうございます」
「歌うのが好きなら……はすみちゃんも、将来はセイコちゃんやアキナちゃんみたいなアイドルになるんですか?」
子供の頃からのぼんやりした小さな小さな夢に触れられて、
少しだけ、心臓のあたりがざわつく感じがしました。
「うーん…………なれたらいいな、とは思いますけど……」
「絶対なれますよ! だって、はすみちゃんとってもカワイイんですもの!」
「でも、古いし……今どきは、流行らないかもだし……」
濁った返答しかしない私を、違いますよ、とお姉さんが制します。
「流行り廃りとかじゃないんです、はすみちゃん。本当にいいものはいつまでも愛されるんですよ。
じゃなきゃ、はすみちゃんだってセイコちゃんたちのこと、好きにならなかったでしょう?」
お姉さんの言葉に、ハッとさせられました。
「私みたいな、地下劇場でくすぶってるような無名には説得力ないかもですけど……
アイドルって、歌やダンスだけじゃなくて、生き様がファンのみなさんの背中を押すんだと思います。
自分が好きだと信じる道を貫いて、まっすぐ突き進む……そういうところを、みんな応援してくれるんです。
これからの時代、そういうアイドルが必要なんですよ、きっと」
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