15:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:23:55.60 ID:wXX+fiS7o
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ようやく交番に着くと、お姉さんがおまわりさんに事情を説明してくれました。
どうやら母はこことは違う別の交番に相談に行っていたようで、無事見つかったと、おまわりさんが連絡を入れてくれました。
「じゃあ、私はこれで」
良かったねと残して、お姉さんは何事もなかったように立ち去ろうとしていました。
―――お礼を言わなきゃ。
「あ、あの!……ありがとう……お姉さん」
「いえいえ、お安いご用です! ……あ、そうだ」
椅子に座っているに私に対し、しゃがみ込んで私の目線に合わせてくれます。
ぴょこんと跳ねるオレンジの髪。瞳もオレンジがかったブラウンがお揃いみたいで、
改めて近くで見ると、お姉さんはとても綺麗な人でした。
こんなに綺麗な人なのに、いやそれでも、有名なアイドルになるのはとっても大変なんでしょう、たぶん。
「はすみちゃん。 いつかもしアイドルになれたら……そのときは一緒にステージに立って、歌ってほしいです。 ……なーんて! キャハ☆」
そしてお姉さんのこの決めポーズは、もしかして照れ隠しのために使っているんでしょうか?
なんとなくおかしくって、だけど心強くて、
「はい、 約束します! いつか私がアイドルになったら、ですね」
「カチューシャのすてきな、未来のアイドルさん。お元気で!」
指切りげんまんをしたあと、お姉さんはにっこりと笑って、帰って行きました。
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