4: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2018/12/10(月) 00:46:33.49 ID:/688KgEE0
今回のロケ先はとある温泉街だった。レトロな雰囲気を残していて、ここだけが時代に取り残されている様な錯覚に包まれる、魅力的な場所だった。町並みの中に灯るスマートフォンの明かりは、いささかミスマッチで、でもそれさえも素敵だと思える、不思議な街だった。
午前中をこの温泉街のレポに使い、午後はせっかくだからと一泊、明日の朝に帰る予定だ。
で、その泊まった旅館の女将さん曰く、内湯もあるがそれよりも有名な温泉がいいだろう、と。レポは食事関係の方が多く、温泉は足湯止まりだったので、僕たちはオススメされた場所へやってきたのだ。そこのロビーには芽衣子さんのサインが飾ってあった。
「ロケ隊の人たちはどうしてるんスか?」
「『もったいないから!』ってまだ温泉に入ってる」
「……のぼせないんスか?」
「わかんないや」
我慢大会とかやりだしそうだしなぁ、あの人達。旅館のご飯の時間までには戻ってきて欲しいけれど。
比奈がコーヒー牛乳を全部飲み終えた。瓶を受け取って、二つともケースの中に入れた。
「じゃあ、戻ろうか」
「はいっス」
僕たちは、旅館までの100メートルを辿りだした。
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